This Tea
台湾では、そのお茶がその名称を名乗るのに必要な条件は、多くの場合"製法"で、茶樹"品種"にまで拘る中国大陸のお茶とは状況が異なります。「東方美人」の場合、原料茶葉が“チャノミドリヒメヨコバイ”という、本来、害虫とされる虫に吸汁されていることを絶対条件とし、製茶工程の随所にこのお茶ならではの独特の技術が用いられています。とはいえ、"品種"を比較した場合、その製法により適した"品種"があるのは確かであり、「東方美人」の場合、「青心大パン」という"品種"がクオリティーの高い「東方美人」を作るのに最適とされています。こちらの「東方美人茶」はその「青心大パン」を原料茶葉として製茶されました。
Buyer's Memo
2020年も「東方美人」の匠として大人気の茶農さんのお茶ですが、例年以上のスピードで買い手がつき、必死の思いで確保して送ってもらいました。いつものように白い産毛が目立つ端正な外観。そしてこちらもいつものように、お湯を注いだ途端にワッと香り立つというよりも、一呼吸おいてから甘い香りがフッと鼻先をかすめます。今年は全体的に優しいバランスに仕上がっていて、その分、繊細で緻密な香味になっています。やや成分の浸出速度が遅いため、気持ち長めに抽出時間を取っていただくと良いかもしれません。その分、煎持ちがいいのも確かで、5煎目あたりになって透明な果実香とブランデーを思わせる芳醇な滋味に出会うことしばしば。お時間に余裕のある時、気長くゆっくりと付き合っていただきたいお茶であり、時間経過による後熟がとても楽しみなお茶でもあります。
Data
6大茶類 烏龍茶(青茶)
産 地 (台湾)桃園市
茶 樹 青心大冇
製茶時期 2020年5月下旬
内容量 25g